● JAPAN ● 「日本舞踊」
 
日本舞踊
日本舞踊
日本のいわゆる伝統的な踊りの総称です。日本の伝統的なダンスでもある舞(まい)と踊りを合わせたもので近年、日本舞踊の国際化に伴い欧米諸国では「Nihombuyo」といった呼称が定着しつつあります。
日本舞踊
日本舞踊
【日本舞踊五條流理事・師範】
珠園会を母・珠園とともに主宰、名古屋市瑞穂区の「五條流舞踊研究所」を中心に日本舞踊の普及につとめる。東京・国立劇場で催される五條流「珠実会」には度々出演、名古屋まつり協賛行事「金城おどり」には毎年出演。その他、NHK教育「芸能花舞台」、NHK衛星「舞踊の美」(世界デザイン博覧会にて)、そして日本舞踊協会主催「創作舞踊劇場公演」等に出演。
日本舞踊  
和洋を超えた創造舞台の夢のコラボが実現しました。
音楽・日舞・能楽で、近松門左衛門の代表作の平成版「椿説曾根崎心中無幻譚(ちんせつそねざきしんじゅうむげんたん)」が2016年12月10日名古屋市東区の市芸術センターで上演されました。
 
Story
天満屋の遊女お初は18,19ばかりで杜若(かきつばた)のように美しい女。その恋人徳兵衛は、醤油屋平野屋で働くいい男。二人は甘い恋を楽しんでいたが、油屋の九平次は、徳兵衛が平野屋の主人から預かった金を「必ず返す」と約束して借りたあげくに「借りてない」と嘘をつき、しかも公平次が判を押したはずの証文までも偽物と言いふらして、人々の面前で徳兵衛を叩きのめす。
お初に促されて、徳兵衛は辱められた身の潔白をはらすために、お初と共にある決意をする
日本舞踊
日本舞踊
人形浄瑠璃・文楽・歌舞伎の演目になるなど、相愛の男女の心中の物語は日本人のLove story。お初と徳兵衛が命がけで恋を全うした美しい人間として描かれています。
芸術コラボ(日本人のDNA)
セントラル愛知交響楽団音楽主幹の山本雅士氏が三年がかりで構想を練り、和洋の音楽の大半を作曲。出演は日舞五条流の五条園美門下の美佳園、園八王(そのやお)、智奈、箏曲正絃社家元の野村裕子、端唄華房流華の会家元の華房小真ら愛知県芸術文化協会のメンバーに、宝生流能楽師の和久荘太郎、薩摩琵琶(さつまびわ)の細川華鶴子(かづこ)、尺八の野村幹人と、芸術のDNAを取材いたしました。
楽屋は笑顔でいっぱい!
日本舞踊
開園前に楽屋を取材、五条園実先生や女子大生の皆さんが演じる着物に着替えている姿を取材させていただきました。、五条先生は、徳兵衛がかぶる笠のひもを修理していました。「先生、こういうこともするのですね」って聞くと「私は何でもしますよ。楽しいでしょ」。と、にこやかにお話ししてくれました。女子大生の皆さんにも「日本舞踊で大変なことはないですか?」って聞くと、「大好きだから」と答えてくれました。楽屋は、笑顔でいっぱいでした。お初役の五条美佳園さんが、着替えをしていました。その様子を撮影していたら、着付師のお二人の動きと、手さばき、美しく着つける技に感動してしまいました。
楽屋で皆さんとお会いしたせいか、上演が始まってから、女子大生の皆さんの踊りがなんとも優雅で楽しげで観ている私も楽しかったです。そして琵琶の妖艶な音とともに始まり、ストーリーの中に引きこまれました。
 
日本舞踊

古典模様とは、江戸時代もしくは明治・大正と流れているもので、先人たちが、直して、直して繋げて完成品ができたものなので、私たちはなるべくそのままで繋げていきたいと考えています。
曽根崎心中は今使って今お見せするものは私の作品なので、手直ししてもいいのです。
出来上がってきた振付を、頭に入れて体で覚えて踊ってもらい、それから手直ししたいので早く覚えることが大切。若い子はスマホやタブレットですぐに覚えてきます。
そのあとが問題なのです。覚えてからが大切で、どのように体を使うか、お月さまは上がるのか下がるのか、どの位置にあるのか目線はどのように流すのかを細かく指示し伝えていきます。

創作って上手な人でないとダメなんです。ほんと、ちゃちなものになってしまう。始めての作品は作品自体がいいはずがない。作ったばかりのものは、練る時間がないから、たとえば、白鳥の湖だって始めは、今みたいではないはず、音楽もそうだと思うのです。上演後に課題を残し何度も話し合って練りなおして、何十年もの時間をかけて現在のかたちに仕上がったものです。
私は、いつも公演後に、ああしたらよかった、こうしたらよかったと思うことばかりで、褒めていただけるのは大変に嬉しいことですが、冷や汗がたらり・・ということがあります。自分でも、良かったと思う瞬間の時は、共演者、スタッフの強い熱気が伝わってくるときですが、いつでも課題を探すことは大切だと考えています。
生まれた瞬間は素晴らしいことです。それに色どりをつけて強くたくましい命を盛り込んでいくこと、これは、どの世界にも通用しますね。日本舞踊を通じてもっともっと、たくさんの方に受け入れていただけるよう今後とも努力を重ねてまいります。(五条園美)

TOPJAPAN